はじめまして、ゆらいむです。
今回は「記憶と忘却」について解説します。
記憶のメカニズムについて解説するよ!
1.記憶の仕組み
記憶には、短期記憶、長期記憶、感覚記憶と呼ばれるものが存在します。
1.短期記憶とは
短期記憶とは、短時間の間だけ保持される記憶のことです。15秒から30秒ほど経過すると短期記憶は忘却されてしまいます。
短期記憶はワーキングメモリと呼ばれることもあります。ワーキングメモリには個人差があり、5チャンクから9チャンクと言われています。
チャンクとは、意味のある情報のかたまりのことです。
例➀)以下の文字と順番を覚えて下さい。
す、と、さ、ち、せ、た、そ、て、し、つ
なんか難しいしめんどくさい・・覚えづらい。
こちらの場合はどうでしょうか・・・
例②)以下の文字と順番を覚えて下さい。
さ、し、す、せ、そ、た、ち、つ、て、と
これなら覚えられる!
➀は10チャンクとして覚えないといけませんが、②なら1チャンク(既に覚えている「さしすせそたちつてと」のかたまり1つだけ)でいいので簡単です。このようにチャンク数が少ないほど覚えるのが簡単になります。
人間がの短期記憶は5チャンク~9チャンクくらいが限界!
2.長期記憶とは
長期記憶とは、長時間の間保持される記憶のことです。1年~永久に保持される記憶で、忘れることはほぼありません。
短期記憶が反復されたり、強く印象付けられたりすることで、長期記憶に移動します。
長期記憶は意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶の3つが存在します。
・意味記憶...言葉の意味に関する記憶
・エピソード記憶...体験や出来事に対する記憶
・手続き記憶...体で覚える記憶
3.感覚記憶
感覚記憶とは、外部からの刺激を、目や耳などの感覚器官が受けたときに起こる1~2秒程度の記憶のことです。無意識なもののため、日常的に感じるものではありません。
その刺激に意識が向けられ感じたものは、短期記憶に移動します。
2.忘却の仕組み
人間は覚えたことのうち、1日経つと7割近く忘れると言われています。
脳は、覚えておくべきことと、そうでないものを分類し、覚えておくべきことは長期記憶として保管します。そうでないものは忘却して記憶を更新します。
この分類は、無意識的に脳が重要だと判断したもの(生死にかかわることや危険な出来事)から優先的に記憶していきます。
忘れることができるから、つらい経験をしてもまた生きていけるんですね。
3.効率の良い暗記法
記憶に残りやすい覚え方を紹介していきます!
1.反復
記憶を定着させたいときの定番です。
どんなことも最初は短期記憶となるため、そのままだとすぐに忘れてしまいます。しかし、反復して何度も脳に意識させることで次第に長期記憶へと変わり、思い出したいときに思い出せるようになります。
口に出したり、文字に書きだしたりすることで、より覚えやすくなります。
2.興味
「好きなゲームや漫画のキャラクターはすぐに覚えられるのに、教科書の言葉は覚えられない」
このような例にもあるように、自分が興味のあることは簡単に覚えられるのに、興味のないことはなかなか覚えられないものです。
これは興味のあるものを見ている時と、そうでない時とでは、脳の働きが大きく違うことが分かっています。
漫画で歴史を覚えたり、ゲームで英語を覚えたりする方法はよくありますね。
3.体験
長期記憶の種類の中にエピソード記憶というものがありました。
エピソード記憶のような、体験や出来事に関する記憶は、長期記憶として長く記憶に残りやすいです。
4.すでに覚えている知識に結び付ける
覚えるときの工夫です。語呂合わせのようなやり方です。
例1)以下の果物とそれぞれの個数を覚えて下さい。
りんご3個、いちご7個、みかん4個、ばなな2個、れもん5個、もも1個、ぶどう6個
頑張ったら、なんとか覚えられそう・・
これだと、かなり集中しないと覚えるのは大変です。では、このように少し並べ替えてみるとどうでしょうか?
もも1個、ばなな2個、りんご3個、みかん4個、れもん5個、ぶどう6個、いちご7個
あっ、ちょっと覚えやすい!
個数が左から1,2,3,4,5,6,7と順番に並んだので、数字を意識する必要がなくなりました。でもまだ少し大変です。さらにこうしてみましょう。
「もばりみれぶい」
これだけでOK!
頭文字だけをとってつなぎました。短期記憶として覚えておくのはこれだけです。
おそらくこの問題に出ている果物の名前は、みなさんすでに覚えている知識だと思いますので、あとはこの頭文字につながる果物と数字を順番につければ答えが出てきます。
すでに覚えている知識を生かして、新しく覚えることをできるだけ少なくするのがコツです。
コラム.記憶の系列位置効果
心理学用語で、記憶の系列位置効果と呼ばれるものがあります。
記憶の系列位置効果とは、リスト内の単語を順番に覚えていくとき、リストの最初と最後の単語が一番記憶に残りやすい現象です。
英単語帳や、ゲームのステージなど、最初と最後は記憶に残りやすいですね。