はじめまして。ゆらいむです。
今回は「発達心理学とは何か」について解説します。
発達心理学は、基礎心理学の分野の1つだよ!
1.発達心理学とは?
まずは、簡単に書くよ!
発達心理学とは、人間が生まれてから死ぬまでの心の変化について研究する分野です。
発達と聞くと子どもを思い浮かべてしまいますが、発達心理学は小さい子供から老人までを研究対象としています。
最初は子供のみを対象としていましたが、最近になって大人や老人も研究対象とするようになりました。
2.発達心理学の具体的なテーマ
具体例を用いて詳しく解説するよ!
人間は十人十色。様々な人がいます。
育て方や家庭環境によって、どんな人間になるかは変わります。
ですが、「自分とは何か?」という人生最大の問いに対して、それぞれの年齢でどんなことを考えるのか?その本質は同じなのです。
見栄を張ってしまう人も、何も言わずに頑張っている人も、行動は違いますが「誰かに認められたい」という点で、思いの本質は同じなのです。
このように発達心理学では、それぞれの年齢で人間はどんなことを思うのかを研究していきます。
1.エリクソンの発達段階
発達心理学といえばまずはこれ!
アメリカの発達心理学者、エリクソンさん(1902~1994)は加齢に伴う自我発達を8つの段階に区分しました。
それぞれの段階で、人間には心理的課題があるとしています。
①乳児期(0歳~2歳)…世界を信じることが出来るかどうかを判断する時期。この時期に親にしっかりと不安や不快を取り除かれると、この先に出会うものに対して、信じることが出来るようになります。
乳児期(0歳~2歳)の心理的課題は「信頼」です。
②幼児前期(2歳~4歳)…自分は自分で良いのかどうかを判断する時期。食事や排せつ、着替えなどが自分でできるか、不安と自律性がまじえる時期です。失敗しても自分が受け入れられることで、自律性が育まれていきます。
幼児前期(2歳~4歳)の心理的課題は「自律」です。
③幼児後期(4歳~5歳)…行動を行って良いのかどうかを判断する時期。様々なことに興味を示しながらも、それをしたいという思いと、それをすれば注意されるという思いを抱き、分かるようになります。
幼児後期(4歳~5歳)の心理的課題は「目的」です。
④児童期(5歳~12歳)…社会や集団の中で自己成就できるかどうかを判断する時期。学業やスポーツ活動において、自分は劣っているという劣等感と、努力することで自分はできるという有能感がまじえる時期です。この時期に頑張ることで自信をつけることができます。
児童期(5歳~12歳)の心理的課題は「有能感」です。
⑤青年期(13歳~19歳)…自分は何者なのかを判断する時期。思春期とも呼ばれるこの時期は、「自分は何者なのか?」という問いに対して悩み、試行錯誤する時期です。その中で自己を確立し(アイデンティティの形成)、自分を受け入れていくことになります。
青年期(13歳~19歳)の心理的課題は「自分らしさ」です。
⑥成人期(20歳~39歳)…愛することが出来るかどうかを判断する時期。友人やパートナー、社会において、相手に自分が受け入れられるかどうか、孤独と戦うことになります。青年期でアイデンティティが確立されているかいないかで、大きく変わってくる時期になります。
成人期(20歳~39歳)の心理的課題は「親密性」です。
⑦壮年期(40歳~64歳)…自分の人生は次世代に伝えられるかどうかを判断する時期。自分の経験が次の世代にどう生かせられるかを考える時期になります。自分の経験と価値観に固執しすぎると、上手くいかなくなります。
壮年期(40歳~64歳)の心理的課題は「世話」です。
⓼老年期(65歳~)…自分の人生が良かったかどうかを判断する時期。自分の人生が良いものだったと思えなければ、不安や絶望で苦しんでしまったり、精神病を患ってしまったりすることがあります。
老年期(65歳~)の心理的課題は「自己統合」です。
2.反抗期
自我の目覚め!
子どもの成長の中で、反抗期と呼ばれる時期があります。
反抗期は2回あり、エリクソンの発達段階で言うと、幼児前期と青年期にあたります。
反抗期では、他人の指示に対して抵抗したり拒否したりといった行動をとります。
自我の発達のため、反抗期は誰しもが通る道と言われています。このような反抗期も、発達心理学が扱うテーマの一つとなります。
3.教育、子育て
子どもは何を考えている?
子どもは歳を重ねるごとに何を考えるのか、発達心理学の知見は子育てにも応用されています。
発達心理学の知見を活かし、「教育心理学」や「家族心理学」といった応用的な心理学の分野も出てきています。
また、日本における義務教育では、自分らしさが認められづらいことがあります。
以下に日本の義務教育についてまとめていますので、よろしければ参考にしてください。
4.心の病気
発達心理学は、心の病気とも密接な関係があります。
エリクソンの発達段階では、それぞれの段階で心理的課題が設定されています。
例えば、乳児期(0歳~2歳)の心理的課題は「信頼」となっています。
親に不安を取り除かれるように育てられれば、成長しても世界を信じることが出来るようになりますが、親に放っておかれたり、親に暴力を受けたりしていた場合は、不安症やうつ病などの心の病気になりやすくなります。
3.まとめ
発達心理学の分野は、加齢に伴う人間の心の変化についてことが出来ます。
保育士や教育関係を目指す人であれば、知っていると役に立つ分野です。
また、自分の心についての知見となるでしょう。